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ナイフのブレード材質

ナイフを始め、刃物にとってブレードの材質は使う場所や用途によって得意なものや不得意なものがあります。ナイフを選択するときにはとても重要な項目です。

ナイフのブレードに使われる材質については、大きく分けるとステンレス鋼と炭素鋼に分ける事ができると思います。

ステンレス鋼とは、Stain(腐食)Less(しない)という商品名からわかるとおり錆にはとても強い鋼です。つまり、耐触性が高いということですね。

ステンレス鋼の中にも成分の違いによって色々と性質が変わってしまいます。
また、日本の刃物(和式の鍛造刃物)などはクロムという成分が0%の炭素鋼を使用しています。
炭素鋼を用いた鍛造刃物は非常に錆びやすくメンテナンスがとても重要になります。(ステンレス鋼も重要ですけど…)

しかし、錆びやすいというデメリットを補って余りある素晴らしい切れ味を実現できるのでファンがとても多いのもうなずけます。
ナイフのブレードに要求される性質は次ぎの通りとても厳しいものです。

1)錆びない事(耐蝕性)
2)切れ味の良い事(硬度)
3)刃持ちの良い事(耐摩耗性)
4)折れない事(耐脆性)
などなどなど・・・・

硬いと言う事は折れやすく、柔らかいと言う事は曲りやすくなり、各成分をバランス良く配合し使い道から最適バランスを実現させるのが現代の考え方です。
では、どんな物質を加えて性質を変化させていくのか???

簡単にですが、以下の物質を増やしたり減らしたりしながら希望の鋼へと変えていくのです。

1)イオウ(S)
加工がし易くなります。加工が簡単になると言う事は製作の段階での手間が減って生 産時のコストが低く作ることが出来るようになります。
しかし、あんまり使用者には関係の無い物質かもしれませんね。

2)カーボン(C)
硬度を高くしたい時に含有率を増やします。これにより切れ味や刃持ちの良さなどが向 上します。しかし、度を過ぎると(約1.5%)硬くなりすぎて脆くなってしまいます。

3)クロム(Cr)
酸化を防止する働きがあり、耐蝕性に大きく影響します。
クロムが含まれる%からステンレス鋼でもいくつかの種類に分けています。
 13%以上:ステンレス鋼
 13%以下:セミステンレス鋼
  0%  :炭素鋼
(例外としてD−2鋼(Cr11.5%)などは炭素が多く含まれている為、炭素鋼と呼ばれることも有ります。)

4)コバルト(Co)
硬度が高くなります。しかし、コストアップになり最終的に高い価格のナイフとなって し まいます。

5)シリコン(Si)
靭性が向上します。つまり粘り気が強くなるので刃をつける際に難しくなってしまいます。

6)タングステン(W)
硬度が高くなり靭性も向上する。
ハイス鋼の一つに多く含まれる。

7)ニッケル(Ni)
少量加えれば靭性、硬度、耐蝕性を向上させることが出来る。

8)バナジウム(V)
鋼の性質が細かく均一化されて、硬度、靭性が向上できる。
これにより、刃付けが容易になります。

9)マンガン(Mn)
適量加えることにより耐蝕性が向上される。
しかし、加えすぎると硬度が上がりすぎて脆くなってしまう。

10)モリブデン(Mo)
靭性が向上される。粘り強くなる為に刃こぼれが起き難くなります。

11)リン(P)
強度を始め硬度などが向上し加工性がよくなる。
 しかし、硬くなる分脆くなってしまう。


このように、添加物を色々と操作することで理想の鋼を作り上げているのです。
しかし、いくら添加物を絶妙な配分で最高の鋼を作り上げたとしても、手入れを怠ると寿命も驚くほど短くなってしまいます。

炭素鋼のナイフでもメンテナンスをしっかり行っていればいつまでも素晴らしい性能を十分維持できます。

各成分の含有量から様々な種類のステンレス鋼が金属メーカーで作られています。
つまり、各添加物をユーザーが選んで作り上げることは中々出来ないとおもいますが、各金属メーカーから様々な金属が作られておりますので使い道に有った鋼材を選びましょう!!



一般的な主な刃の材質


ステンレス鋼

440C
現在、もっとも多くナイフのブレードとして使用されている。
クロムを多く含んでおり耐蝕性に優れている。また、切れ味を向上させるために炭素も 多く含んでいます。
アメリカで開発された代表的なナイフ素材の一つです。
含有炭素量によりABCのランクが付けられており、最も高炭素のものを440Cと呼ばれています。
kopromed社のナイフは全て440Cステンレス鋼が使用されています。

成分 
C:1.0、Cr:17、Mn:1、Mo:0.75、P:0.04、Si:1、S:0.03

154CM
米国クルーシブ社が製造した鋼で同社の商品名である。
もともと航空機のベアリングに使われていたが、巨匠ラブレスがナイフの鋼材として使 用しはじめたが、ATS−34が登場するまでカスタムナイフメーカーで多く使用されてきた。

成分 
C:1.05 Cr:14 Mn:0.5 Mo:4 Si:0.3

D2
硬度や耐磨耗性、靱性が適度に高いが、腐食性が低くダイビングやフィッシングには向かない。
ダイス鋼として開発された鋼材でミラーフィニッシュが難しいと言われています。
成分 
C:1.55、Cr:11.5、Mn:0.45、Mo:0.8、Si:0.2 P:0.025、V:0.9

AUS 8
現在はATS55が開発された為にナイフのブレード鋼材としてはとって代わりつつある が、硬度や耐磨耗性は高くセレーショ ンナイフに多く使われている。
研ぎやすくメンテナンスがとても容易です。

成分 
C:0.7、Cr:14、Mn:0.5、Mo:0.2、Ni:0.5、P:0.04、Si:1、S:0.03、V:0. 2

ATS 34
日本の日立金属が開発した鋼材です。
基本的には154CMを基に改良した鋼材で硬度や耐食性、靱性ともに高く、ナイフ用鋼材としてのバランスも高いために国内外のカスタムナイフメーカーの多くが使用している。

成分
C:1.05、Cr:14、Mn:0.4、P:0.03、Si:0.35、S:0.02

ATS 55
ATS34を更に改良し、硬度や耐食性を向上させた鋼材で近年ファクトリーメーカーも使い始めている。

銀紙
日立金属が開発した鋼材で、刃物用ステンレス鋼材として有名である。GINやGと表示 されている。

ZDP−189
日立金属が最近開発した合金で、ステンレスでありながら炭素鋼レベルの硬度を実現 した合金。

カウリX
ステンレス鋼でありながら、炭素鋼レベルの硬度をもった合金であり刃持ちはATS34の10倍以上と言われている。


炭素鋼

青紙
硬度が非常に高い鋼材で、タングステンとクロームを含んでおり高級鋼材とされている 。
しかし、硬度が高いために刃こぼれを起こしやすい。

白紙
鉈や斧などに使われる国産炭素鋼であり、硬度はやや「青紙」に劣るが純粋な炭素鋼 は切れ味がとてもよく人気が高い。

玉鋼
日本刀に用いられる鋼材で最高の硬度を持っている。
しかし、耐食性はとても低くすぐに錆びてしまうために日頃からこまめな手入れを必要 。



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